最近の物理・天文のトピックスについて
                                                2012 1月27日


  1. ベテルギウスの超新星爆発間近:


  オリオン座の左上の一角を成す赤い星 ベテルギウスは、恒星としての寿命が99.99%尽きた 不安定な(変光星)赤色巨星になっていて、いつ超新星爆発が起きてもおかしくない状態である。
  ベテルギウスの質量は 太陽の20倍、直径は1000倍であり、地上の複数の望遠鏡で解析した結果、この15年で大きさが15%膨らみ、表面が”うめぼし状”の凹凸になっているそうである。 ベテルギウスは 地球からの距離が 600光年と近いので、爆発時には 約−12.4等(満月と同じ明るさ)で2週間も輝くという。(明るさや期間については各種の説がある ・・・ 半月くらいの明るさで数日間は昼でも見える、など) 爆発の時期については不明であるが、大体 ここ数年以内(2012年説がある)に、この 歴史的にも非常に珍しい”天文ショー”が見られそうである。

  ・・・ 因みに、藤原定家の”明月記”にある 1054年の かに星雲大爆発では、−6等。 (cf. 太陽 −26.8等) もし、地球から近い シリウス(8.6光年、青色の若い星)が超新星爆発すれば、光線と放射線で地上のものはすべて焼け、地上の生物は確実に死滅するといわれる。

  大爆発後は、周りに重元素を含む ちりやガスを撒き散らし、中心部には中性子星 または ブラックホールができる。
  中性子星になった場合に継続的に放出される ガンマ線バーストは、ベテルギウスの自転角の方向(回転速度が大きくなって自転軸方向に放出)が 地球と 約20°ずれていて、また、距離が遠いので、大気圏、オゾン層などへの影響は無いとされる。



  本当に恐ろしいのは、聖書に書かれている 「終末の時」の超自然的な出来事の方である。

   「見よ。の日が来る。・・・ 天の星、天のオリオン座は光を放たず、太陽は日の出から暗く、月も光を放たない。」(イザヤ13:9、10)

  この超新星爆発は、直接には、「終末の時」のしるし ではない。 しかし、終末が近い という主からの”警告”の一つとして受け取ることができる。
  イザヤ書の 「オリオン座は光を放たず、・・・」の時は、同時に 太陽や月が暗くなり、星々が揺り動かされる という、が、「地だけでなく、天をも揺り動かす」の、終末の時(End Time)のことを言っている。

   「だが、これらの日の苦難に続いてすぐに、太陽は暗くなり、月は光を放たず、星は天から落ち天の万象は揺り動かされます。 そのとき、人の子(=イエス様)のしるしが天に現われます。 ・・・ 大きなラッパの響きとともに、 ・・・・」(マタイ24:29−31)

   「私は見た。 小羊が第六の封印を解いたとき、大きな地震が起こった。そして、太陽は毛の荒布のように黒くなり、月の全面が血のようになった。そして、天の星が地上に落ちた。それは、いちじくが、大風に揺られて、青い実を振り落とすようであった。 天は、巻き物が巻かれるように消えてなくなり、すべての山や島がその場所から移された。 ・・・」(黙示録6:12−14)

  この大宇宙と呼ばれているものは、決して確固たるものではなく、の御手によって いくらでも揺り動かし得るものである。 なぜなら、は、天地万物を造られた「創造主」だからである。
  「封印」のさばきの後に続いて、「ラッパ」のさばきの時になる。この「ラッパ」の時に、主が御使いたちを遣わし、私たち信じる者が天に携え上げられるのである。
  (「空中携挙」の本当の時期 = 大艱難期中〜後   → 7つのラッパ、小さな巻物のさばき )

  世の終わりには、創造主であるご自身が、終末の時のしるしとして 聖書に書かれてある天変地異を、一つも落とさず ことごとく行なわれるのである。




  2. ニュートリノが光より速い?:


  2011年9月13日、国際研究実験OPERAのチームが3年間実験(ニュートリノ振動実験)し、スイスの CERN(セルン、欧州高エネルギー物理学研究施設)から送られた 人工ニュートリノνμ、ミュー型ニュートリノ)について、イタリアのグランサッソ地下研(イタリア国立物理学研究所研究施設)までの730kmの地中を通っての速さを測定したところ、光の速さよりも 0.00247%速い という測定結果が発表され、これが本当なら、光よりも速い物体は存在しないとする アインシュタインの相対性原理を根本から覆すかもしれないとして 全世界を驚かせている。
  (1万5000回の実験ほとんどで同じ結果。 時間情報は GPSを使用。 光の速さ: 299792.5km/s に対し、 ニュートリノの速さ: 299799.9km/s で測定された。 結果について数ヶ月の内部討論で誤りを発見できず、この差は 環境の影響や考え得る測定誤差をはるかに超える値という。)

  他で同じ結果を出した実験例はないので、日本ではこのニュートリノ振動実験を行なうために、東海村(J−PARC、大強度陽子加速施設)から 岐阜県神岡のスーパーカミオカンデまで295kmの T2K実験による追試が検討されているが、時間測定装置の精度UPなどの改良を含め 数年かかるという。 また、OPERAに所属する日本人の名大准教授は、GPSを用いずに静止衛星を用いた時刻合わせでドイツで追試するという。

  専門家の間にはこれを疑問視する見方が強く、特に、速度計測の正確さに疑問が持たれている。
  ニュートリノがその媒質中での光の速度よりも速く移動すると、チェレンコフ放射(*)によって、より低速な粒子を放出してエネルギーの大部分を失いそれらの粒子によって描かれた航跡が後に残るはずであるが(核燃料プールが青く光って見えるのもこの放射による)、グランサッソで検出されたニュートリノはスイスで発射されたときと同じエネルギーだった。(ボストン大・コーエン、グラショウ)
   * チェレンコフ放射 ・・・ 電子の速度上限が高く(光速で移動可能)、光そのものの速度上限がそれよりも低い場合(水や空気などの媒質中を伝わっている場合など)に起こる放射


  相対論が確立されていることは、OPERAグループも含め、世界中の物理学者が認識していることである。 相対論自身が常識からすると 大変奇抜で(光速が一定の代わりに 物体の長さや時間の方がロレンツ短縮し、質量公式 E=mc2 より質量=莫大なエネルギー、また ブラックホールの存在 など)、アインシュタインが発表した当時は理解が得られず、この相対論でノーベル賞を受賞したのではないのである。
  この上 もし、ニュートリノが光よりも速い事が事実であると報告されたならば、あちこちから 変な解釈や ニューエイジ的な世界観が出てくると予想される。(今回は、”タイムトラベルが可能”という報道まで出された。)

  日本人の専門家による見解では、以下の4つの可能性が考えられるという。
  1. 光速は宇宙で最高速ではない(=相対論の原理が間違っている)、 2. ニュートリノの質量は虚数(すなわち タキオン)、 3. ニュートリノが何らかのワープ機構によって近道した、 そして、 4. 間違いである
  そして、今のところ、この4.の”実験結果は間違い”であろう と言っている。



    「初めに、神が天と地を創造した。 地は形がなく、何もなかった。 やみが大いなる水の上にあり、神の霊は水の上を 動いて(=舞いかけて)いた。 そのとき、神が 「光よ。あれ。」 と仰せられた。すると光ができた。 ・・・ 」 (創世記1:1−3)

  神様が 天と地を造られたとき、まず初めに作られたのが この「光」である。 光(物質光・電磁波)は、地球や宇宙の存在(第2日、第4日)よりも優先する。 光は エントロピー = 0(時間的な優先)であり、光の速度は万物に優先して 最高速かつ不変である(階層的優先)。
  そして、神様の創造のやり方は、「ことば」 と 「信仰」による。( → 4次元の世界の構造

    「しかし、今の天と地は、同じみことばによって、火に焼かれるためにとっておかれ、不敬虔な者どものさばきと滅びとの日まで、保たれているのです。」(Uペテロ3:7)

  まさに、 E = mc2 である。




  3. 不確定性原理の より正確な表現式の検証:


  ハイゼンベルクの不確定性原理が破れ、「小澤の不等式」が正しいことが、2011年1月15日付けで、ウィーン工科大学の長谷川祐司准教授のグループによる実験で実証されたことが発表された。 これは 確かな実験実証結果であり、ハイゼンベルクが提唱した 1927年からの長い間、量子力学の基本原理として教科書にも書かれてきた 不確定性関係の式が、85年ぶりに書き換えられるのである。
  小澤氏(名大教授、数学者)は1980年代から異を唱え、量子力学発足当初から混同されてきた 量子ゆらぎ観測の誤差と乱れとを、厳密に区別した上で観測の理論を構築し、この新たな不確定性の式を導いた。 そして今回、

       従来の、    εqη≧ h/4π (εq : 位置の測定誤差、 ηp : 運動量への擾乱(じょうらん)) は、

       
εqη+ σqη+ σpε≧ h/4π (小澤の不等式 (σq 、σp : 物体の位置と運動量が測定前にもっていた量子ゆらぎ

に書き換えるべきものであることが実証された。実験は以下の通りである。

  中性子のスピンの異なる2方向の成分(x 成分 と y 成分)は、粒子の 位置 vs 運動量 と同様に、片方を測定するともう片方の乱れが大きくなるという関係(トレードオフの関係)にある。量子力学的に両者の関係は同じ不確定性で表されるはずなので、ある中性子の x 成分を測定し(測定1)、続いて同じ中性子の y 成分を測定(測定2)。 磁界をかけた中性子線上に置いた単結晶の格子の回転角度(?)を実験パラメータとして、誤差(A、測定1)と擾乱(B、測定2)を測定した。
  すると、測定1と測定2の それぞれの角度における縦軸の値の積(縦軸の数値は、h/4πの係数、 1のとき h/4π)は、すべての角度で 1以下、つまり、h/4π よりも小さくなり、従来の不確定性関係の式は破られたことになる。 ( → 報告ページ

 

  小澤の不等式より、測定前に物体が持っていた両者(位置−運動量、時間−エネルギー、スピンの異なる向き など)の量子ゆらぎ(古典論のセンター値からの量子力学的なずれ。測定とは関係なく決まっているが無限大ならば、どこまでも正確に両者を観測できることになる。(=古典論の同時測定に限りなく近付け得る)
  今回の発見を応用すれば、解読するとその情報が変化して分からなくなる「先端暗号技術」の通信速度向上などに役立つ可能性があり、小澤教授は”成果は、広範に応用できるのではないか”と話している。 2000年代後半には、少なくとも量子情報の分野では、量子コンピューターのエラー確率の推定など、小澤の式を前提に議論が進められるようになっていたそうである。今後も、ナノサイエンスの新たな測定技術、重力波の検出などの方面への応用が期待できる。

  この実証結果は、量子力学の2大基本原理の一つ(もう一つは「確率性」)である「不確定性」が覆されたのではなく、測定と 量子ゆらぎとを区別して原理を適用する必要があることを表し、「不確定性」そのものは全く変わらず、(基本的過ぎて、チェックすることに今まで余り関心が払われなかった?)むしろ より厳密に表現された、ということになる。
  超光速ニュートリノが本当ならば相対性理論はひっくり返ってしまうが、ハイゼンベルクが混同して 間違えた解釈をしていたとしても、量子力学の基本方程式は何ら変わらないのである。



  そして、相変わらず次のことが言えるのである。

  神様は、すべての物質に、この「不確定性」「確率性」(もう一つの、確率性のほうは量子力学の成立以来、全く進展が無い)という2大性質を与え、自然の根底から ”人間が知る限界”を定められた。 それは、人が、(生涯、量子力学を受け入れなかったアインシュタインのような)”知的高慢”に陥らず(→ ユダヤ人物理学者の素顔 )、神様を信じる「信仰」によって生きるためである。


    「信仰がなくては、神に喜ばれることはできません。 神に近づく者は、神がおられることと、神を求める者には報いてくださる方であることとを、信じなければならないのです。」 (ヘブル人への手紙11:6)



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